今回は、39歳コールセンター業務の会社員さんが、隣から聞こえてくるうめき声のような騒音体験談をご紹介してみます。お隣のうめき声のような騒音が怖くて、お隣は異常者なんじゃないか?と思い、警察に110番通報したそうです。果たして、うめき声のような謎の騒音の正体は何だったのか?必見です。
隣のおばさんからうめき声が発生
私は今年で39歳になる男です。これは私が35歳の時の話なのですが、当時愛知県に営業所がある会社に務めており、業種としては通信系のコールセンター業務でした。なので、人一倍クレームや怒鳴り声には慣れていたと思っていたのですが、あの時のことを思い出すと今でもゾッとします。
私は、最初は実家から通っていたのですが、通勤に1時間以上かかることもあって、思い切って勤務先の近くでマンションを借り、ひとり暮らしをすることにしました。そこは1ルームの小さな部屋でしたが、私の部屋の隣には60代くらいのおばさんが住んでいて、名前は知りませんでしたが何度か挨拶はする仲になりました。
特にその様子を見る限りおかしな人ではなさそうでしたが、知り合って半年ほど過ぎたあたりで、毎晩外からうめき声のような声が聞こえてくるようになりました。最初はTVか何かかなぁと、そんなに気にならなかったのですが、少し暑い時期になり窓を網戸にしていたりすると、結構うるさくてまるでお経のような感じにも聞こえ、夏と言うこともありとても気味が悪いものでした。
ある時はお昼に、そしてまたある時には夜中にと、毎日30分から1時間くらいそのうめき声のような歌が聞こえて来るようになり、私は気になり、どこから聞こえてくるのか、ベランダに出て音の聞こえる方を探してみると、案外近くて、なんと隣の部屋から聞こえてくるではないですか!?
隣のおばさんは異常者?
あの名前もしらないおばさんが騒音の元凶だったのです。私はあの物静かそうなおばさんがなんでこんなうめき声のようなものを出しているのか不思議に思いましたが、窓を締め切っていればそこまで気にならなかったので、そのままにしておきました。
しばらくしたある日、夏ということもあり深夜番組でホラー特集をやっていて、そこには心霊写真だったり、心霊現象だったりと身の毛もよだつ怖い内容が放送されていて、私はあまり怖いものが得意ではなかったのですが、その時は他にやることもなく暇だったので見ていると途中から止められなくなり、ずっとその番組を見ていました。
見ているとどんどん怖くなっていき、隣のおばさんがもし異常者だったらどうしようと不意に思い出しました。そして、夜中の2時頃、私の恐怖が最高潮に達した時に、「ドンドンドン」っと扉がノックされる音がして、恐る恐るドアののぞき窓から外を見てみると、そこには頭から血を流したあの隣のおばさんがいるではありませんか!?
私は怖くなって、この時、生まれて初めて警察に110番してみようと思い、スマホを取り出し110を押しました。警察につながって、「隣の人が頭から血を流しています。毎日うめき声とかもあるんです。異常者なんです。助けてください」と、今思えば、訳の分からないことを言っていただろうという説明にも、警察の方は丁寧に対応してくれ、「では、今からそちらに向かいますので、そのまま待機していて下さい」と案内がありました。
うめき声の正体
私は警察を待っている間に扉をかち割られ中に入られたらどうしよう、と恐怖で布団にくるまって丸くなっていると、ドアの向うから何か声が聞こえます。「すいませーん…」「すいません、鍵を無くして部屋に入れないんですが、家族に連絡したくても携帯も部屋に忘れてしまって。良かったら電話を貸してもらえませんか?」
私はしばらくボーッとしたあとに、扉を開けるとそこにはあのおばさんが申し訳なさそうに立っていました。聞くとコンビニに出かけた時に鍵をどこかに落としてしまい、見つからないので合鍵を持っている家族に連絡しようとしたが、携帯も部屋の中なので連絡できず、とりあえず一応の顔見知りだった私に電話を借りようとノックしたのだそうです。
また、頭の血は慌てて階段を登ってくる時に滑って転んで出来た傷だそうです。私はそのおばさんに携帯を貸してあげ、「家族と連絡がついて迎えに来てもらいます。どうもありがとうございました」と言って、その人はマンションから出ていきました。私はホッとしましたが、このあとに警察が来ることを知って、また恐怖に震えました。ちなみに後日、あのうめき声のことを聞いたら、あれは一応鼻歌ということでした…。