今回は、60代主婦さんが、マンションの隣の住人の歌声と工作音に悩まされた騒音体験談をご紹介してみます。歌声については、直接声が大きくてうるさいことを伝えると終わったそうです。工作音については、警察に通報したりもしたようですが、最終的に管理会社に相談すると騒音元のお隣さんをマンションの別の部屋に引っ越しさせてくれたそうです。やはり最初に相談するのは管理会社が良さそうです。

突然歌声が聞こえる

私は、60代の関西在住の主婦です。

忘れもしない2016年2月14日の午後10時頃、マンションの隣の部屋から突然歌声が聞こえてきました。

壁を通して聞こえるくらいですから、お隣さん(20代前半の男性)は声を張り上げて歌っています。

超オンチで、裏声で頭のてっぺんに突き抜けていくかのように歌います。

これに大声であることが加わっているのです。「今日はバレンタインデーだったから、女性から告白されて舞い上がっているのかな。青春ねぇ」と勝手にポジティブに想像して、歌い終わるのを待っていました。

鉄骨構造は防音機能が低い

ところで、それまでコンクリート造りのマンションはすべて、防音はしっかりしていると思っていました。

しかし、このとき初めて、このマンションは鉄骨構造だったのですが、鉄筋構造に比べて、鉄骨構造は防音機能が低いことを知りました。

歌声による騒音の日々

この晩、その歌声は30分ほどで終わりました。しかし、これが「騒音の日々」の幕開けだったのです。

最初の頃は、2日ぐらいおきに「騒音」が聞こえてきました。

「こちらも音をたててうるさいこともあるだろうから、お互い様だしね。そのうち歌わなくなるだろうし」と思い、30分ほどすれば静かになるのでその都度我慢しました。

2か月ほど過ぎた頃には、帰宅してから午後12時くらいまで、2、3回歌うようになってきました。

このころは、遮音カーテンや防音シートなどの防音グッズを探したり、家具の配置を検討したりしていました。隣人に苦情を言おうかと考えたのですが、まだ「お互い様」の気持ちが強かったので、思いとどまっていました。

11月頃からは、深夜の午前2時頃まで歌声が発生するようになりました。

1回あたりの時間も長くなってきました。

深夜風呂に入りながら歌うようになり、風呂の音響効果とあいまって音の大きさがパワーアップしました。歌声で夜中に無理やり起こされ、睡眠不足が続きました。壁ドンで「うるさい」という意思表示も始めましたが、効果はありませんでした。

何の根拠もなく、「1年も続けば気が済んで大声で歌うことをやめるだろう」と辛抱していました。

しかし、1年を過ぎた2017年4月に入ってもこの状態は続きました。

歌は終わったが工作の音が発生

とうとう我慢できなくなって、思い切って面と向かい、「大きな声で迷惑している」ことを言いました。あっさりと大声で歌わなくなり、平穏な日々が訪れるようになりました。ここで騒音については終わるかのように思いました。でもまだ続きがあったのです。

静かだったのは、6月頃まででした。7月に入ると、今度は午後12時ごろから午前2時ごろまで、バンバンと何かを作っているような大きな音を出すようになりました。

眠っているところを大きな音で起こされ、一度目がさめると今度はふたたび眠ることができません。壁ドンもしました。しかし、数秒は静かになりますが、すぐに音が始まります。

最初は1週間に1回くらいだったのが、そのうち毎晩のように大きな音を出すようになりました。この攻防戦は11月頃まで続きました。10月の終わり頃からは、深夜でしたが、直接口頭で静かにするように何度か頼みました。しかし、その場限りで効果はありませんでした。

警察に通報

ある晩我慢しきれなくなって、警察に通報しました。

警察官がドアを叩いても、眠っているはずがないのに部屋の電気を消して出てきません。警察官が、「警察官が来たことは、ドア越しにわかっているはずだし、昼に再度訪問して注意するから」と言われたので、その晩は安心して眠ることができました。

管理会社に相談

夜が明けてから、とうとう一歩踏み出すことにしました。管理会社にこれまでのお隣さんの常軌を逸した行動を説明し、お隣さんに注意をしてくれるように言ったのです。

もっと早く管理会社に言えばよかったと思いました。管理会社はあまり当てにならないようなことを聞くし、クレーマーだと思われたくないという変な面子があったので、管理会社に言うのが最後になっていました。

管理会社の人がお隣さんに苦情が来ていることを言い、結局お隣さんは同じマンションのほかの部屋―両隣が物置と空室になっている部屋に引っ越しすることになりました。

管理会社の人の話では、お隣さんは「自分が全面的に悪いのはわかっている。しかし、どうしても夜型である今の生活パターンを変える事ができない」と言ったそうです。

「『新しい部屋の一方の空室は、この先誰かが入るかもしれない。ちゃんとした社会人としての良識を持った生活をするように』と釘をさしておいた」とも管理会社の人は言っていました。

こうして長い戦いの日々は終わり、ようやく平和が訪れました。