今回は、40代会社員さんが、マンションで犬の鳴き声が気になり安眠できなくて困った騒音体験談をご紹介してみます。仕事が忙しかったので、騒音問題解決方法として管理会社に文章で伝える方法を選択したそうです。1回のメールで騒音問題を解決できたので、ベストな選択だったとのことです。文章で騒音問題を伝えた理由、メール文章の書き方、など参考になるかもしれません。
犬の鳴き声が聞こえる
私は現在40代女性、会社員、既婚です。これは、7年前くらいに、都内で単身者向けのマンションに住んでいたころの話です。当時住んでいたのは、小戸数のこじんまりとした築10年のマンションの3階で、壁やドアはけっこう厚めでしっかりした造りでした。ですから、隣人の生活音もしないし、自分の音漏れもあまり気にすることなく、快適な生活を送っていました。
ですが、暮らし始めて2、3年がたったころ、夕方から夜にかけて、犬の鳴き声が聞こえてくるようになりました。くぅーんというような小さな鳴き声ではなく、ばう、ばうばうう!というような、何かを訴えるようなけっこう大きめな鳴き声です。また、よく聞くと、フローリングの床を爪でひっかくような音も聞こえるのです。その音を聞いていると、聞いているこちらまで不安になるようでした。
鳴き声と床のたてる音から察すると、大型犬なのかな、と想像できました。このマンションは20平米くらいの小さなワンルームで、どの部屋も同じくらいの面積と間取りのはずです。ですから、大型犬が小さなフローリングの部屋で不安がっているのだと思うと、どういう状況なのだろうと、心配にもなってきました。
安眠できなくなる
しばらくは、犬を一時預かっているだけかもしれないと思い、我慢していたのですが、夏になってベランダのガラス戸を開けて寝るようになると、その鳴き声と音はもはや「気になる音」を超えて、「安眠を妨害する騒音」になってきました。気にしないようにしようと思えば思うほど、「今日も吠えるかな?」「なんだか今日は鳴き声が大きい気がする」など、余計気になってしまいます。
住人である飼い主さん自身はどう感じているのかわかりませんし、もしかしたら犬を部屋に残して不在にしているのかもしれません。住民同士の交流のない東京の単身マンションですし、大家さんも離れた箇所にお住まいで面識もないので、事情はまったくわかりませんでした。
どうにかしないと……と思っているうちに、私は睡眠不足が重なり、朝起きるのがつらくなり、昼間の仕事にも影響が出るようになってきました。これは、具体的に行動に移らねばと思い、方法を考えました。
騒音を管理会社に文章で伝えた理由
気をつけたかったのは2つです。まず、このマンションで今後も長く暮らしたいと思っていたので、そのお部屋の住人の方とも、管理会社や大家さんとも気まずくなりたくないということ。あまり一方的に稚拙な文句を言うと、「ああ、よくあるクレイマーか」とか「神経質な人だな」と思われてしまいそうだったので、それは避けたかったのです。
もう1つは、交渉を長引かせず、できれば1回で終わらせること。仕事で忙しいこともありますし、もともとクレームや提言などをするのは苦手なので、何回もやりとりしたり説明を重ねたりするのは自分がつらくなるだろと思ったのです。
そこで、私が考えた方法は、管理会社に「文面」で伝えることです。電話だと、つい話し方が感情的になったり文句をつけるような言い方になったりする可能性があります。ですが、文章なら、冷静に事実を書いたうえで、改善してほしいことを伝えることができます。
また、電話ですと記録に残らないため、一度伝えた人が責任者でない場合、もう一度別の人に説明し直すなど、交渉が長引きがちです。ですが、文章なら、もし責任者が不在でも、その文章がしかるべき人に渡るでしょうし、文章として残っていれば、きちんと「対処すべき案件」とカウントされ、無視されることもないと考えたのです。
騒音解決用のメール文章の内容
そして、管理会社に送るメール文を作成しました。まず、メールのタイトルは、「〇〇マンションについてご相談/300号室山田(仮名)」にしました。これは、複数のマンションを管理している会社に対して、どのマンションについての問い合わせであるかを一瞬で伝えるためと、件名からしっかり名前を名乗って、読み飛ばされないようにするためです。
文章の本文は、日ごろからお世話になっていることへの感謝文。そして、言いづらいことですが、「解決していただきたい事案がある」ことを記します。ここで気を付けたのは「文句を伝えたい」のではなく、「解決してほしい」という、明確に相手の行動を欲しているということを伝える文面です。
そうすれば、この文章を最初に人がたとえクレーム処理とは無関係のバイトの人であっても、「あ、このメールは担当者に回さないといけないな」とわかるでしょう。
そして、感情をまじえず、事実を伝えます。〇週間前から、おそらく1階のお部屋から犬の鳴き声がすること。時間は〇時~〇時が多いこと。小さくないけっこう気になる大きさであること。
そして、「ペット可のマンションに住んでいる以上、すこしの鳴き声などは受け入れるべきだと考えておりましたが、窓を開ける季節になったので、睡眠も妨げられることがあり、もうすこし鳴き声が響かないご配慮をいただきたく、ご相談いたしました」と記しました。
こちらが一方的に求めるのではなく、こちらもある程度、理解と譲歩をした上でのご相談である、ということを伝えたのです。
そして、具体的な解決策として、「不安そうな鳴き声のように感じられますので、犬が過ごす環境を少し工夫していただくだけで、改善されると思います。たとえば、外が見えるようにする、住人の方が不在の時間を減らされるなど。私は犬の生態に詳しくはないのですが、ご一考まで」と添えました。
そして、お電話かメールでご返信いただきたい、電話を受けられる時間帯を書き、最後は、「あまりご負担のない方法でご対処いただけたら嬉しいです。快適なマンションなので今後もお世話になりたいと思っております、宜しくお願い致します。」と締めました。
こうすることで、必ず対処をしなくてはいけない案件になると考えました。
メールで抗議後騒音問題解決
そして、念のため、同じ文面をプリントして、FAXでも送りました。通常であればメールだけで大丈夫ですが、その管理会社は若干アナログな会社で、担当者の方もちょっと雑な対応をなさる方でしたので、そうしました。
FAXで送ると、必ず「紙」に残るので、受け取った側はさすがに捨てるわけにもいきませんので、未対処になる可能性がぐっと減ると思ったのです。
そして、この私の「気まずくならず、1回で終わらせる」作戦は、効果てきめんでした。数日後、管理会社から「大家さんと相談のうえ、該当の住人とも話し合い、鳴き声の問題を解決するよう動いています。もしまだ騒音がする場合はもう一度ご連絡ください」と返事がきました。
具体的に、犬の環境をどうしたのかわかりませんが、その日から騒音はなくなりました。その後、数年間、そのマンションで快適に暮らせたので、よくよく考えて文章で送ったやりかたは、正解だったなと思っています。