今回は、60代会社員(男)さんが、上階住人のダンスの練習音に悩まされた騒音体験談をご紹介してみます。騒音解決方法として、1.相手に困っていることを直接伝える、2.管理人さんに相談、3.騒音注意喚起文書の掲示、があり、とにかく騒音問題は角の立たない方法で指摘しないと相手は気がつかないとのことです。

ドラムを打ち鳴らすような音が聞こえる

年齢は60代前半。職業は会社員。性別は男。住んでいる地域は関東。

現在、マンションに住んでおりますが、以前悩まされたのは、上の階の住人の騒音です。

夕方、いきなりドラムを打ち鳴らすような音が聞こえてきて、家内共々驚きました。しばらくしたら音が止んだのですが、また突然音が激しく聞こえます。いったい上の人は何を始めたのだろうかと、そのほうに興味がわきました。

それから3日間くらい、決まって夕方にその奇妙な音が聞こえてきました。それからしばらくの間は聞こえませんでしたが、2週間くらいしたらまた聞こえて来ました。

上階に直接騒音の苦情を言う

家内が我慢できなくなって、上の階を訪ねました。ちなみに、上の階の人は今までに会ったことがなく、初対面でした。おそるおそるインターホンを鳴らして、出てきた奥さんに、遠慮がちに騒音について、けっこう下の階に響いていることを申し出ました。

そうしたら、その奥さんは、「あー、やっぱりカーペットを敷いてもダメでしたか。済みませんでした。」とあっさり謝ってくださいました。聞くと、娘さんのダンスの練習で、ダンス専用の堅い底の靴をはいて練習をしていたそうです。

3日間くらい続けたあと、しばらく間があくというのは、発表会に合わせて練習をするためだったそうです。いちおう、下に響かないようにとの気遣いがあり、カーペットを敷いたそうです。

これを聞いて私は、もしこちらから騒音のことを申し出なければ、上の階の人は、カーペットのおかげで、下へは響いていないのだと勘違いしたかも知れません。これはお互いに不幸なことです。

騒音で困っていることを相手に伝えるのは重要

もし上の階の人が、常識を欠いた人で、こちらから何を言おうが、取り合ってくれないということでしたら、これはもう不幸というしかないです。でも、私たちは、自分では知らないうちに他人に迷惑をかけていることがあるのです。

そういう意味では、まずは騒音で困っているということを、少なくとも相手に勇気を持って伝えなければならないと思いました。それから、騒音はしばらくの間、控えめになりました。

でも、1度だけ夕方から夜にかけて、かなり長い間元気のよい音が聞こえてきたことがあります。でもその時は、「ああ、きっと明日が発表会なんだなあ。」と理由が想像できましたので、以前のように一方的に被害者意識に凝り固まるということがありませんでした。

これも、実際お話をしてみたことによるメリットだと思います。

騒音注意喚起文書の掲示

ところで、この一件がおさまって、しばらくしたころマンションのエレベーターの中にA4版の紙で「お願い」という掲示が出ました。当マンションでは、住民にお知らせをする場合はエレベーターの中に、このような掲示をすることで知らしめるようにしています。

そこには、だいたい次のような内容が書かれていました。「共同生活をお互いに気持ちよく過ごすために、騒音発生に気を配りましょう。大きな音でのオーディオ鑑賞や、夜になってからの楽器演奏、大工仕事等、音が響き易い時間帯は特に各自が注意してください。」というものでした。

誠にごもっともなことで、よくこのような正論を掲示板に貼ったものだと感心しました。そして一方、騒音問題に悩まされている人が意外に多いのだということも認識しました。

きっと、やむにやまれず、管理人さんへ悩みを打ち明けた人が、一人ならずいるのでしょう。そして、管理会社のほうで、前記のような掲示をするに至ったのでしょう。この掲示は珍しく2ヶ月間くらいの長い期間貼ってありました。

そして、それが取り外されたころ、心なしかマンションが静かになったような気がします。

騒音問題は角の立たない方法で指摘しないと相手は気がつかない

これは争いごとを好まない、どちらかというと「事なかれ主義」の私としては、目が覚まされた気持ちです。

昨今、電車の中で「うるさいですよ」といって注意したばかりに殴りつけられて、怪我を負わされたなどという、物騒なニュースを見聞きします。だから、人の多い中で暮らして行くには、とにもかくにも我慢するしかないと思っていました。

でも、やはり騒音については、角の立たない方法で指摘しないと、相手は気がつかなくて、そのまま続行する、あるいは増大する危険もあるのです。

少なくともマンションでは、注意したからと言って、殴られることはないでしょうから、お互いに気持ちよく暮らしていくために、やはり騒音が気に障ったら、直接あるいは管理人さんを経由して指摘することが解決への一歩だと思います。