今回は、40代パート主婦さんが、田んぼに雀が来ないようにする爆音機という機械がうるさくて困ったので、実践してみた騒音対策をご紹介してみます。騒音の証拠をまとめてデータ化し、市役所の生活環境課に、データを送付して相談した結果、爆音機が鳴らなくなったそうです。

田舎は静かという幻想

私は、結婚して山形の地方都市から農村地帯に居住することになった現在40代のパート主婦です。生まれ育った環境は商店街でしたが、敷地が細長かったので庭に囲まれた家の中はとても静かでした。

ピアノを習っていたこともあり、耳が良くて小さな音でも家族より先に聞こえるような子供でした。そんな私が、結婚したのは車で2時間くらい離れた他市の男性。どんな所かよく知らないままに転居したのが、今思えば苦しみの始まりだったかもしれません。

田舎なのは分かっていましたが、田舎=静か、が当時の私の認識でした。春に転居し、何て環境が違うんだろうと、のどかに感じていた頃は分かりませんでした。でも、突然、騒音公害の苦しみを味わうことになったのです。

爆発音のような音

8月6日、暦の上で立秋にあたるその日の早朝、まだ夢見て寝ていた時でした。爆発音のような音で叩き起こされたのです。そして、一回だけでなく、あちこちから繰り返し、その音が鳴るのです。心臓はドキドキし、寝不足で、その日の仕事中辛かったのを覚えています。

主人に聞いても何の音だかわからないと言うし、不安になりながら、その日も床について、そして翌朝、さらにヒートアップしたように、その爆音は響き渡り数も増え、その後、毎朝鳴り続け、次第に休みの日、家にいると夕方まで聞こえるようになりました。

強迫神経症になるのでは、と思うほど堪えました。寝不足が続き、体調や仕事にも支障が出始めた頃、同じように苦痛に感じ始めていた主人が爆音がなる時間、裏道を回り原因を突き止めました。

家の裏側一体は、田畑が広がっているのですが、農道や細道を歩き回ったところ、あちこちにそれまではなかった「謎の物体」があるとのこと。それから爆発音が鳴っていること。そう、それは「爆音機」というものだったのです。

爆音機

無縁の人には想像もつかないでしょうが、農村の人や農家の人は知っている物。小さいガスボンベを繋ぎタイマーをかけて間隔を設定、繰り返し爆発を起こし田んぼに雀が来ないようにする(と開発者は思った)物体なのです。

小さな音では効果がないと思ったのか、その威力は物凄く乾いた空気、何も回りにない空間の中、爆音は轟き、雀や小鳥は逃げまどいます。(そして、別の田んぼに移動するだけなんですが)私たちが取った行動は、まず、JAに電話で抗議することでした。

JAに電話で抗議

夜明けとともに起こされては日中仕事があるので安眠妨害になる、仕事や体調にも支障が出ていると。

JAの人は丁寧に話を聞いてくれましたが、「ご迷惑をかけていることについては申し訳ないが、農家にとっては死活問題なので、こちらで止めろと指導はできない」と後日、電話がありました。

(後で分かったのですが、JAは業者を通して爆音機を販売していた!)

田んぼに置いてあっても住宅みたいに、そこが誰のものかなど私たちに分かるはずもなく一軒一軒止めるように頼むなど不可能、どうしたらいいのかと、その頃はノイローゼみたいになりながら考えました。

音が鳴ると動悸がし、音がまた鳴ると、暗い時間に目が覚めるようになっていました。知り合いに農家の人はいましたが、その人までもが爆音機をすぐ近くに設置していると分かり途方に暮れました。

当人たちは夜明けとともに起床していて、田んぼから離れた場所に住んでいると思うだけで怒りで精神不安定になりました。

市役所の生活環境課に相談

苦しむ私を見て色々調べた主人が市役所に生活環境課という部署があり、そこで市民の色々な苦情に対応しているらしいから、そこに連絡してみようかと言った時には、もう1か月が過ぎていました。

電話したら苦情として聞くが、当部署は解決する部署ではないと言われ正直がっかりしましたが、私たちは諦めませんでした。

何度もメールや電話で訴え、役所の人から教えられたのですが、稲が熟する前が一番鳥害を受けるのだそうで、9月に入る頃には、信じられない程の騒音になっていました。

騒音の記録を役所に送付

仕事が休みだった日、音が鳴り始めた時、私は紙とペンを持ち、家の外に出て、爆音がなる度に、「時刻・方角・音の大きさの感じ」を書き留めました。

そして、エクセルファイルにしたのですが、夕方まで100発以上も鳴っていて、これは説得力がありそうと直感で思い役所に添付ファイルで送りました。この方法は効果抜群でした。

翌朝、担当職員が朝から現地の近くにやって来て、調査し、提出したデータと一致したらしく、担当部署で協議、これは確かに騒音公害にあたると判断されたとの連絡のメールが来て、JAへその旨を連絡し農家へ「指導」をするように言ったとのこと。

そんなことで「死活問題」なのに、止めるわけがないだろうと思ったのですが、農家にとって、役所から苦情指導が来るということは想像できない力があるのですね、数日後には爆音は、ほとんど鳴らなくなっていて、とても驚きました。

数年後には、ゼロになりました。色々な環境の苦情を感じたら、その後も市役所の生活環境課に相談するようになりました。部署名は違っても全国の役所には、似たような部署があるんだろうなと、思っていますので、参考になればと、とても思います。